「B型で働くと、工賃はどのくらいもらえるの?」と気になっている方へ。
結論から言うと、厚生労働省が公表している最新の集計(令和6年度)では、就労継続支援B型の全国の平均工賃は月額24,141円です。奈良県の平均は月額25,459円でした。ただし、これは多くの事業所の結果をならした数字で、実際の金額は事業所や通う日数によって変わります。
この記事で分かることは、次の3つです。(2026年10月時点の情報です)
- B型の平均工賃(全国・奈良県)と、平均額の見方
- 工賃がどのような仕組みで決まるのか
- 事業所を選ぶときに、工賃について確かめておきたいこと
お金のことは、ご本人もご家族も気になって当然のことです。制度の言葉はなるべくかみ砕いて説明しますので、気になるところから読んでみてください。
就労継続支援B型の工賃とは
工賃とは、B型事業所での作業(生産活動)に対して支払われるお金のことです。
B型は、事業所と雇用契約を結ばずに、体調や自分のペースに合わせて働けるサービスです。雇用契約がないため、受け取るお金は「給料」ではなく「工賃」と呼ばれます。
B型の仕組みやA型との違いは、就労継続支援B型とは?A型・就労移行との違いをやさしく解説で紹介しています。
給料(賃金)との違い
A型は事業所と雇用契約を結んで働くため、受け取るお金は「賃金」です。B型の工賃との主な違いは、次のとおりです。
| 項目 | B型の工賃 | A型の賃金 |
|---|---|---|
| 雇用契約 | 結ばない | 結ぶ |
| 最低賃金 | 適用されない | 適用される |
| 金額の決まり方 | 作業で得た収入から経費を引いた額をもとに支払う | 雇用契約で決めた賃金を支払う |
B型は雇用契約がないため、働く日数や時間を体調に合わせて決めやすいのが特徴です。その一方で、受け取る金額の決まり方はA型とは違います。
B型の平均工賃は月額24,141円(令和6年度)
厚生労働省は、毎年度の工賃の実績を公表しています。2026年10月時点で最新の令和6年度の結果は次のとおりです。
| 区分 | 令和6年度 | 令和5年度 |
|---|---|---|
| B型(全国・月額) | 24,141円 | 22,649円 |
| B型(奈良県・月額) | 25,459円 | 24,696円 |
| A型(全国・月額) | 91,451円 | 86,752円 |
出典:厚生労働省「令和6年度工賃(賃金)の実績について」。令和5年度の全国平均(B型)は、同資料で修正された後の数値です。
全国のB型の平均は、前の年度より少し増えました(前年度比106.6%)。集計の対象になったB型事業所は、全国で18,245か所です。奈良県の平均も、前の年度より増えています。
A型の金額が大きいのは、雇用契約を結び、最低賃金を含む労働関係の法律が適用される働き方だからです。仕組みが違うので、金額だけを並べて比べるものではありません。
平均額を見るときの注意点
平均工賃は、たくさんの事業所の結果をならした数字です。通う日数や時間、作業の内容によって、実際の金額は人それぞれ変わります。平均より少なくても多くても、それだけで良い・悪いが決まるわけではありません。
また、令和6年度の報酬改定で、平均工賃の計算方法が変わりました。新しい方法では、平均を出すときの人数に「1日当たりの平均利用者数」を使います。利用日数が少ない方を受け入れている事業所に配慮した変更で、令和5年度の実績から反映されています。
そのため、古い年度の数字と単純に比べることはできません。インターネットで古い年度の金額を見かけたときは、どの年度の数字かを確かめてみてください。
工賃が決まる仕組み:作業で得た収入から支払われる

B型の工賃は、事業所が自由に決めているわけではなく、国の基準(これをもとにした都道府県の条例)でルールが決まっています。流れは次のとおりです。
- 事業所が作業(生産活動)で収入を得る
- その収入から、材料費など作業に必要な経費を引く
- 残った金額を、工賃として利用者に支払う
つまり、工賃は作業で生まれた収入がもとになっています。
国や自治体から事業所に支払われる報酬(自立支援給付)は、原則として工賃の支払いに充ててはいけないことになっています(災害などやむを得ない場合を除きます)。そのため、事業所が作業でどれだけ収入を得られているかが、工賃の額に大きく関わります。
事業所全体の月平均は3,000円以上と決まっている
国の基準では、利用者1人当たりの1か月の工賃の平均額は、3,000円を下回ってはいけないとされています。
これは事業所全体の平均についてのルールで、一人ひとりの金額を保証するものではありません。通う日数が少ない月は、受け取る工賃も少なくなることがあります。
工賃の額が事業所によって違う理由
工賃は作業で得た収入から支払われるため、事業所ごとに金額が変わります。主な理由は次のとおりです。
- 作業の内容(軽作業、パソコン作業、ものづくり など)
- 作業でどれだけの収入が得られているか
- 工賃の計算方法(時給、日給、出来高 など)
- ご本人の通う日数と時間
計算方法は事業所ごとに決められていて、同じように通っても受け取り方が変わることがあります。一般的には、時給なら働いた時間、日給なら通った日数、出来高なら仕上げた作業の量がもとになることが多いです。
金額と通いやすさの両方から考える
工賃の額は大切ですが、それと同じくらい、無理なく通い続けられるかどうかも大切です。
体調に波がある方や、久しぶりに外で働く方は、少ない日数から始めて、慣れてきたら日数を増やすという方法もあります。工賃の額と、自分の体調や生活に合うかどうか。その両方から選んでいけると安心です。
デジサポ天理の工賃と仕事
参考までに、私たちデジサポ天理の場合をご紹介します。
デジサポ天理では、ホームページで日当1,500円とお知らせしています。交通費の支給と、希望される方への昼食の無料提供もあります。詳しい条件は、見学・相談のときにお気軽にお尋ねください。
仕事は、AI活用、画像・動画制作、Webデザイン・データ入力、AI補助ライティング、資料作成、SNS運用、商品撮影、シルクスクリーン印刷などです。利用は週1日・1時間からできます。
仕事の内容は就労継続支援B型でAIは学べる?デジサポ天理の仕事内容を紹介で詳しく紹介しています。
見学のときに工賃について確かめたいこと
工賃は事業所ごとに違うので、見学や相談のときに聞いておくと安心です。お金のことは聞きにくいと感じるかもしれませんが、確かめておくのは自然なことです。次のような点をメモして持っていくと、聞き漏れが少なくなります。
- 工賃の計算方法(時給・日給・出来高など)
- 支払日と支払い方法
- 体調などで休んだ日の扱い
- 工賃以外の支援(交通費、昼食など)
- どんな作業をするのか、自分に合いそうか
ご本人が直接聞きにくいときは、ご家族や相談支援専門員と一緒に聞く方法もあります。
あわせて、利用するときの自己負担については就労継続支援B型の利用料はいくら?自己負担0円の人が多い理由をご覧ください。
まとめ
- 工賃とは、B型での作業に対して支払われるお金です
- 令和6年度の平均工賃は、全国で月額24,141円、奈良県で月額25,459円です
- 平均は多くの事業所をならした数字で、実際の金額は人それぞれ変わります
- 工賃は、作業で得た収入から経費を引いた額をもとに支払われます
- 金額は事業所や通う日数によって変わるので、見学のときに確かめると安心です
よくある質問
Q. B型の工賃に最低賃金は適用されますか?
A. B型は雇用契約を結ばないため、最低賃金は適用されません。そのかわり国の基準で、事業所全体の1か月の平均工賃が3,000円を下回らないことが決められています。
Q. 週に1日だけ通っても工賃はもらえますか?
A. 週1日の利用でも、作業をした分は工賃の対象になります。ただし金額や計算方法は事業所によって違うので、利用を始める前に確かめておくと安心です。
Q. 工賃の金額は、どこで確かめられますか?
A. 事業所のホームページや、見学・相談のときに確かめられます。計算方法や支払日なども含めて、事業所に直接たずねるのが確実です。
見学・相談のご案内
「工賃のことを少し聞いてみたい」という段階のご相談も歓迎です。まだ利用を決めていなくても大丈夫です。
デジサポ天理はJR・近鉄 天理駅から徒歩2分、見学・体験は無料です。ご家族だけのご相談もできます。
よくある質問はこちらのページにもまとめています。
参考
※この記事は2026年10月時点の情報をもとに、デジサポ天理 編集部が作成し、担当スタッフが内容を確認しています。