コラム

2026.10.08

作文が苦手な私が、AIと一緒に働いてみました|就労継続支援B型

デジサポ天理を利用している、あきのしらべです
400字詰めの原稿用紙には、今でもアレルギーがあります。
題名を書いて、名前を書いて、本文の一行目に「私は」と書く。
いつもそこで手が止まって、その先が出てきませんでした。
小学校の夏休みの読書感想文も、提出した記憶がありません。

そんな私が今回、事業所のブログ記事を書く仕事を任されました。
正直、心の中ではこう思いました。
「心配やけど、AIならいけるんとちゃう?私一人だけやったら絶対に無理やけど」
そうして、AIと一緒に書き始めました。

週に4日、朝から午後まで通っていた頃

以前は週に4日、10時から15時まで通っていました。
やっていたのは、思っていたより幅の広い仕事です。

レシートをスキャンして、クラウド上で仕分ける経理の作業。
米穀店から預かった、贈答用のお米の名入れ作業。
メルカリで商品を出すときに、いくらで売るかを決める作業。
長期の連休に合わせた、休業のお知らせのデザイン。

事業所の中では、それぞれが違う作業をしています。
歌詞のないインストゥルメンタルの曲が流れていて、カフェのような雰囲気です。
ふだんは静かですが、困ったときにはすぐスタッフさんに声をかけられました。

パーティションで区切られた席が壁ぞいに並ぶ、明るい事業所のイラスト
パーティションで区切られた席で、それぞれが自分のペースで作業を進めています

一日に50件、30文字に気持ちを収める

中でもよく覚えているのが、お米の名入れの作業です。
多いときは、一日に50件ほどありました。

お客様からお預かりするのは、たとえばこんな一文です。
「このたび隣に引越してまいりました。どうぞよろしくお願いいたします」
まだ顔を知らないご近所の方へ、はじめて渡す品物になります。

袋に入れられる文字は30文字まで。
ところが数えてみると、この例文も30文字を少し超えています。
こんなふうに指定を超える挨拶文は、珍しくありませんでした。
お客様の言葉ですから、こちらの都合で削るわけにはいきません。

そこで、文字を小さくして収めます。
ただ、袋には背景の絵が入っています。小さくしただけでは、文字が絵と重なってしまう。
このときはスタッフさんに手伝ってもらい、絵にかからない位置と大きさを一緒に探しました。

稲穂と山の絵が入ったお米の袋に、縦書きであいさつ文を入れるイラスト
背景の絵にかからないよう、30文字のあいさつ文を縦書きで収めます

AIに聞いたのは、言葉ではなく作り方でした

この作業でAIに相談したのは、文章の中身ではありません。
Wordの使い方のほうでした。

お米の袋の名入れは縦書きです。
縦書きの中に部屋番号などの数字やアルファベットが入ると、そのままでは文字が横向きに寝てしまいます。
そこで使うのが「縦中横(たてちゅうよこ)」という機能です。
数字やアルファベットを横に並べたまま、縦書きの一マスに収めてくれます。

この機能は、最初にスタッフさんから教わりました。
ただ、使い慣れない機能で、一度では覚えきれませんでした。
その後は、分からなくなるとAIに聞き直しながら、少しずつ覚えていきました。

名入れの文字には、今はあまり見かけない旧字体の名字が入っていることもあります。
簡体字や繁体字など、日本ではふだん使わない漢字が入っていることもありました。
そうした字がきれいに出るフォント選びや、読み方が難しいお名前へのルビの振り方、
一行をどこで区切ると読みやすいかも、AIに相談しました。

自分で調べれば分かるけれど、調べるのに時間がかかる。
そういうことを、その場で聞けるのが助かりました。
私は、同じことを人に何度も聞くのが苦手で、つい遠慮してしまいます。
AIは、何回同じことを聞いても、嫌な顔ひとつしません。
もっと知りたい所は深く掘り下げて、難しい所はかみ砕いて説明してくれます。
気軽に聞ける相手がいると、心が軽くなりました。
もちろん、困ったときはスタッフさんにも相談できました。
教わったことは、AIと何度でもおさらいする。
頼れる先が二つあったことが、一日50件を進める力になりました。

AIの答えに、心の中でツッコむとき

AIとやり取りしていると、理屈としては合っているのに、何かが違うと感じる答えが返ってくることがあります。
そんなとき、心の中ではいつもこうです。
「その通りなんやけど、そうとちゃうねん」
「なんかちゃうなぁ~。機械っぽいわぁ~」

振り返ってみると、原因は私の頼み方にありました。
「AIに必要な情報が足りんかった。人間でも5W1Hがハッキリしなかったら、話がかみ合わへんやん」

そんなときは、足りなかった背景を付け足して、もう一度AIに相談します。

パソコンでAIの答えを見ながら、入力欄に足りなかった背景を書き足すイラスト
足りなかった背景を書き足して、もう一度相談します

それでも決まらないときは、スタッフさんに相談しました。

最後に選ぶのは自分です。
事実と合っているか、書いてはいけない情報が入っていないか、自分の気持ちに合っているか。
一字一句、自分の目で確かめる。
これが、AIと働くうえで、一番大事な役目だと感じています。
AIがどれだけ手伝ってくれても、責任を持つのは私です。

今は週に2回、調子に合わせて通っています

今の私は、基本は週に2回、午前中の2時間通っています。
元気がいい日は、午後の2時間も続けて通います。
以前とはずいぶん違う通い方ですが、柔軟に対応してもらっています。

体調や暮らしの事情に合わせて、通う日数や時間を相談できる。
これは私にとって、とても大きなことでした。
続けてみて、今はこう思っています。
「ちょっとずつでも、進むもんやな」

ブログ記事づくりでも、同じことが起きました

今回のブログも、同じやり方で進めています。
AIが私に質問をして、私が答える。その答えをもとに文章にしてもらう。
自分の頭の中でばらばらだった言葉が、形になって返ってくる様子には、今でも驚きます。

ここでもつまずいたのは、プロンプトの書き方です。
背景や調子まで伝えようとすると、どう書けばいいのか分からなくなる。
考え始めると、かえって手が止まってしまいました。

そこで、質問の書き方そのものをAIに相談することにしました。
「こういうことを聞きたいのですが、どう書けばいいですか」と聞いてみる。
すると、一緒に言葉を整えてくれます。
止まっていた手が、また動き出しました。

完璧な質問でなくても大丈夫でした

この仕事を通して、いちばん身についたと感じるのは、AIへの質問の仕方です。
聞き方が分かってくると、作業の段取りもよくなりました。
情報を確かめる目は、まだまだ勉強中です。
それでも、先週より今週のほうが、分かることは増えています。

もし今、同じように不安を感じている方がいたら、伝えたいことがあります。
聞き方が分からなければ、それもAIに聞けばいいんです。
私の言葉で言うと、こうです。
「悩んでても何も出てけーへん、行動あるのみや」

見学で、雰囲気を見てみてください

「私は」の先が書けなかった私が、今回はAIと一緒に、原稿用紙およそ7枚分の文章を書き上げました。
この記事も、私が質問に答えたことをもとに組み立てたものです。

デジサポ天理がどんな場所か気になった方は、見学やご相談をご利用ください。
私も最初は、雰囲気を見に行くところから始めました。
「のぞくだけでもええから、見てみよっか」
そのときの私の気持ちです。今迷っている方にも、同じ気持ちで来てもらえたらうれしいです。
インストゥルメンタルの流れる部屋で、みんながどんな作業をしているのか、


実際に見ていただくのが一番早いと思います。

※この記事の挿し絵には生成AIを使用しています。